現行ポルシェ911ターボ(991)試乗記
皆さん、あけましておめでとうございます。 今年もよろしくです。
今年の一発目は試乗記です。
少し前に某自動車イベントに行ってきまして、ポルシェ911ターボに乗る機会がありましたので、軽くインプレを書いてみます。
ちなみにオープンモデル(カブリオレ)です。
いつもとはかなり趣向が違う車ですよね?(間違っても“練習に勧める車2018”ではありませんよ(笑))
新車で買うと2000万円オーバーですから、まあ普通の人には縁のない車だと思いますが、新年一発目なので景気良く(笑)スーパーな車のインプレも面白いでしょう。
さて、試乗とは言いましても運転ではなく、助手席でのインプレとなります。オーナーカーですからね。
また場所も公道ではなく敷地内なので、とても短時間の経験でした。
それでも!! とても鮮烈な印象を残してくれましたので、試乗記を書いてみようと思います。
まず軽くスペック紹介から。
ポルシェ911ターボは3800ccの水平対向6気筒エンジンを搭載し、
パワー540馬力、トルク 710Nm(!!)。
車重は1,665kgでシフトはポルシェの誇るツインクラッチの
PDKですね。
911ですからエンジンはミッドシップではなくリアエンジンです。
また0 - 100
km/h加速は3.1秒で、最高速は320km/hだそうでうす。 ちなみに更にその上に911ターボSという580馬力の化物がラインアップに有るのですが、乗せていただいたのはベースモデルの方です。
まず乗った瞬間から、剛性感が凄まじいです。 いかにもドイツ車って感じですかね。
まあ世代は大分違いますが、GC8時代のインプレッサやCP9A時代のランエボがベニヤ板の棺桶だとすると、こいつは石棺と言った感じでしょうか。 って、たとえが縁起良くないですね(笑)。 とにかくミシリともしない、ガッシリ感を感じます。
この安心感というのはなかなか日本車では味わえないところです。 いや、ドイツ車でもBMWやVWでは恐らく味わえないでしょう。 やはり動き出す前から“ポルシェ”って感じです。
そしていよいよ発進ですが、素晴らしいことにオーナーさんが思いっきりアクセルを踏んでくれる方で、衝撃の加速を体験することが出来ました。
今までにもランエボやインプレッサ、スープラやGT-Rを始め、日本車のハイパワー車というのは何度も乗ったことがありましたが、一言で言うとこいつは
「格が違う」といったフィーリングです。
エボやインプの加速も、背中を蹴っ飛ばされるように凄まじくて、強いGと相まって景色の流れに目が付いていかないことはしばしばでしたが、これは次元が違うと感じました。
なんと
眼球の水晶体が加速Gで歪んで前の景色が霞むのです!(いや、厳密には分かりませんが私はそう感じました(笑))
そして強烈に頭が後ろに持っていかれて、逆HANSが必要だと思いました(笑)。
70kgを超えるトルクは初体験でしたが、それよりも驚いたのはトラクションです。
こんなトラクションって、車で可能なのか?って感じです。 それもラジアルタイヤで、ですからねぇ。
二駆でこれだけのトラクションを出せるのは、RRならではなのかとか、305/30 ZR
20(!!)の極太リアタイヤのせいなのかとかいろいろ考えましたが、オーナーさんに尋ねたらこの車って、四駆なんですね。
妙に納得〜……、じゃない!
いやいや、四駆にしても凄すぎです。 やはりボディー剛性とか極太タイヤなどが関係しているのでしょうね。
四輪駆動車のエンジン搭載位置別トラクションに、加速に限ればフロントエンジンが一番有利だと書きましたが、ここまでキャパのでかいタイヤを入れれば、リアエンジンでもとんでもないトラクションが稼げるんですね。
(しかもオーナーさんが言うには、トラコンは必要なく切ってあったそうです。 メカニカルグリップが凄いんですねぇ……)
この車の加速を例えるなら、ランエボやインプレッサの1速での最大加速Gが200km/hまで完全にフラットに続くイメージです。
PDKですからずっとアクセル全開シフトで、シフトアップの際のターボラグもありません。
極めてフラットトルクです。
ブースト計は付いていませんでしたが、ブーストもシフトアップ時には全く落ちることはないでしょう。
そしてある意味、加速以上に驚いたのが減速でした。
正直、かなり高速域からのフルブレーキだったので、真面目に壁にぶつかるかと思いました。 ところがこれまた宇宙一とも例えられるポルシェのブレーキで余裕で停止。 今度は眼球が前にこぼれ落ちるかと思いました(笑)。
少なくとも直線制動ではリアが不安定になることもなく、リアエンジンレイアウトのネガな点は見えません。
きっちり四輪で止めているイメージです。
ちなみにポルシェ911は、
サイドブレーキだけで0.5Gの減速Gが出せるのだとか……。
つまりリアタイヤだけで、普通の市販車の強いブレーキレベルの減速Gを出せるってことですね。
これはピッチングしても後ろに荷重が残るリアエンジンならではでしょう。
この車はブレーキがフェードしたり壊れたとしても、サイドブレーキだけで余裕で止まれるってことですね。
(サイドブレーキはドラム式でフットブレーキとは別系統)
このあたりのオーバークオリティーっぷりがポルシェクオリティーなのでしょう。
これにて試乗は終了。 欲を言えば直線だけでなくコースを走りたかったし、更に言えば自分でステアリングを握りたかったですが、正直言ってこれだけでも結構お腹いっぱいになりました(笑)。
イベントの場所は海岸沿いだったのですが、
こんな車のステアリングを握って朝日の差す海岸線を走ったなら、あまりの気持ちよさにその道はまるで天国に続いているような……、そんな錯覚に陥りそうでした。
価格が高いのには訳がある。
自動車の運転歴がある程度有る方なら、この価格にも納得するのではないでしょうか。
“格が違う”という言葉がありますが、その言葉の意味が良く理解できた日でした。
おしまい
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