フットレスト、使ってますか?
さて、今回は久しぶりに運転についてのお話でも。
突然ですが、皆さんはフットレストって使ってますか??
クラッチペダルの左にある、左足を置く場所ですねぇ。 まあ、付いていない車もありますが。
あれって、何のために付いていると思います?? 文字通り、足を休めるため?
まあ、メーカが付けている本当の理由は知りませんが、せっかく付いている物は上手く使ってみたいですね。
私は街乗りや軽く攻めている時には良く左足でブレーキを踏む事がありますが、繊細なペダルのコントロールが必要な程のスポーツ走行をしている時には、左足ブレーキは使わないタイプです。
左足ブレーキの話は、良くアンケートでも質問や意見などをいただくので、ちょっとだけ書いてみましょうか。
私が左足ブレーキを使わない理由はいくつかあるのですが、その一つは
「フットレストを使いたいから」です。
さて、一旦ブレーキの話は置いておいてぇー、
第六感を駆使したドライビングをするに書いた通り、車をコントロールする上で重要な事は、いかに人間のGセンサーである、
「頭」がブレないようにするかです。
そしてそのためには肩を固定する必要があり、肩を固定するためにハンドルを両手で軽く押すと書きましたね。
つまり、
2点での体の固定です。
しかしながら物体と言うのは、3点以上で固定しないと安定しないという特徴が有ります。
例えば、カメラの三脚ってありますよね? でも二脚って無いですよね?(笑)
椅子でも、足は必ず3本以上有るはずです。 (逆に4本以上あると、ガタつく事が有ると思います)
倒立よりも、3点倒立の方が安定するし、2足で歩くよりも杖をついた方が安定する。
シートベルトも2点よりも3点式の方が安定するし、ちょっと話は飛びますが、GPSの信号も3つの衛星からの信号がないと位置が測定できません。
まあ、3点と言うのは物体を安定させるための、マジックナンバーみたいなものです。
もう言いたい事はわかりましたね?
体(肩)を固定するためには、右腕と左腕で2点。 そして、もう1点が必要な訳です。
ん?お尻が有るじゃないかって?
確かに、普通はこれにお尻が加わって3点の様な気もします。
しかし、お尻に掛かる力は、常に重力の力だけです。 つまり、1Gですね。
例えば体重が60Kgの人だったら、60Kgfです。
これ以上の力をお尻にかける事はできません。
(ただレーシングカーなどは、シートが極端に寝ている、と言うかおしりの位置よりも膝がかなり高くなって、ブレーキング時に太ももの裏で支えられるため、体重以上の力
が掛かる事もあるため、事情は少いますね。 更にもちろん、ベルトも5点式以上の物をきつめにしてるでしょうしね。 ただ、ラリーカーや市販車のシートではこれは難しいでしょう。)
そこで、左足の登場です。 足は片足でも、
自分の体重以上の力を掛ける事が出来ます。
その証拠に、
誰でも片足で立つ事が出来ますよね?
その左足に力を掛ける場所こそが、
フットレストです。
つまりイメージとしては、両手でハンドルを押して肩をシートにめり込ませ、左足でフットレストを押して腰をシートにめり込ませるイメージです。 変な話し、お尻は宙に浮いているイメージです。
4点式以上のベルトでも、ここまで背中を押しつける事は出来ないでしょう。(多分、胸などの前の部分が苦しくなる)
そうすると、ビックリする位車からのインフォーメーションも伝わってくる上に、頭がブレないために
Gセンサーが狂いません。
これは、ホールの性の悪いシートなどでも意外とごまかせて、かなり有効です。
余談ですが、昔Z34を試乗した時に、営業マンが「思いっきり攻めてみて」って言うので、高速コーナーをかなりのスピードで曲がったら、限界が高過ぎて横Gに耐えきれずに体がズレそうになっ
たので、コーナーの途中からこの技?を使って更に加速した事が有ります。
私は全く問題なく運転できましたが、営業マンのほっぺが助手席の窓ガラスに張り付いていて、「苦しー、スピード落としてくれー!」と叫ばれた事が有ります(笑)。
(このお話はフィクションです)
ちなみに助手席でも強いGの掛かる車に乗るときには、フットレストは無いですが両足で床を強く押すとかなり耐えられるもんです。 ま、これは一つの知恵として…。
さて、話がちょっとそれましたが、フットレストにはGセンサーを狂わせない以外にも、もう一つ重要な役割が有ります。
それは、
「ペダル操作の正確性を上げるため」、です。
例えばー、書道で筆で文字を書くときに、左手をプラーンとしている人いますか??
左手を横に添えて体を支えていますよね??
ペンで細かい絵や文字を書く時にも、左手をプラーンとはしていないはずです。
右手で繊細な作業をする時には、実は体を固定する左手の方が重要だったりするのです。
これは足でも同じです。
右足で、細かいコントロールをするためには、実は左足が重要なのです。
左足でフットレストに力を掛けて支える事で、そこを支点とし、右足は力を抜いて細かいコントロールが出来るのです。
特にブレーキング時等、前に強いGが掛かる時には重要です。
足が3本あれば(笑)、一本で支えて、他の2本でアクセルとブレーキを別々に操作できますが、2本だとフットレストか、ブレーキペダルかのどっちかを選択しなければいけませんね。
え?左足でブレーキを踏む時は、右足で床を押して支えればいいって??
いやいや、右足が空いてるなら、右足でブレーキ踏みます(笑)。
そんな訳で、左足でブレーキを踏む時には、右足はアクセルペダルの上にある訳で、両方とも宙ぶらりんでビミョーなコントロールをする事になります。これが難しいんです。
よって私は、強いブレーキを踏む時には、左足でフットレストを押して、右足で細かいブレーキコントロールをします。
ちなみに、私は初期が強いブレーキパッドが苦手だとか言う人の気持ちが良くわからないタイプです。
がぁ、左足でブレーキを踏むと良くわかります。
経験上、細かいブレーキコントロールが苦手な人の多くは、このフットレストをあまり使っていないようです。
だまされたと思って、一度使ってみて下さい。 かなり右足の分解能(コントロール幅)が上がると思います。
最後に、私は別に、左足ブレーキ反対派?ではありません。(特にカートを始めてからは、左足で踏むしかないので普通に走る分にはコントロール出来ます。)
ただ、今の時点では私は、色々な理由で上記の様に左足はフットレストに固定して、全て右足で操作した方が速く、上手く走れるというだけです。
まあ今回のフットレストを使った操作方法は、もしかしたら私独自の世界観なのかもしれませんが…。
左足ブレーキについては、「色々な理由」を含めて、またいつか書くかもしれません。
さて、今回もどちらかと言うと、ドラポジ系の話でしたが、ドラポジって地味ですが非常に重要で、簡単で、かつ効果が高い物です。
私は良く運転において、「神は地味な所に宿る」、何て言っています(笑)。
以上
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