さて、今回は少し趣向を変えて、新車の試乗インプレッションでも書いてみます。
車のインプレッションは、結構アンケートで要望を頂いていたんですよね。
そんな訳で、第一号はBRZです。 ま、今の時期ならこの車は無視できないですよね?
本当に久しぶりに出た、2リッタークラスのスポーツカーですからねっ。
試乗記の内容は、ブログというか日記のような軽い感じで行きます。
物理とは関係ない私の主観、個人的な感想なので、流す程度に読んでくださいね。
さて、乗ろう乗ろうと思っていて機会を逃していた、BRZにやっと試乗してきました。
最近は皆そうなのか、或いはBRZだからなのか、スバルでは始めて試乗前に誓約書を書かされました。(「道路交通法を遵守し、営業マンの言うことをきくこと」的な内容です)
インプレッサの時はなかったんだけどなぁ?
さて、結構待たされてやっとこさ乗車です。
まず外から見ると、とにかく全高が低いですねぇ。また、ドアを閉めるフィーリングは剛性感があって、今時の車っぽいですかね。
ドアノブを引くとガラスが少し下がるのは、最近の車は室内の密閉性が高いため、こうしないと開閉が難しいためでしょう。
次にシートに座ると、とにかく座面が低いですね。いわゆる、「座りながら地面でタバコが消せる」位置です。
今までに乗った車の中では、ロータス・エリーゼの次くらいに低いかな?
ドラポジはハンドルの角度なんかが、なんとなくS2000ぽい感じがしましたかね。
さて、エンジンを掛けようと思ったら、エンジンスタートボタンは左にあって探しちゃいました。
うーん、個人的にはエンジンスタートは右手で押させてくれーって感じかな。(左手は、シフトノブに触れている時があるので)
クラッチを踏むと、ペダルがめっちゃ軽くてびっくりしました。
ギアはアイシン製で、シフトフィーリングはとても癖がなく普通かな。ゲートも狭くもなく、広くもなく普通。シフトの剛性感は、これもまあ普通(笑)。
せっかくのFRだから、もうちょっとショートストロークにして、シフトの剛性感ももうちょっと有ってもいいかな?って気がしました。
まあ、シフトフィーリングは同じアイシン製のRX-8やシルビアと同じ感じですね。
それではスタート。と、アクセルペダルも軽くてびっくり。
ただ低回転のトルクがあって、発進がとても楽ですね。クラッチミートも癖がなくて楽です。
走りだしてもとにかく2000回転前後の低回転のトルクがあるのに驚きました。この辺は、S2000とは違うところですかね。
EJ20の超ショートストロークをやめて、ロングストローク化(と言ってもスクエアだけど)したのが効いているのかな?
ブレーキタッチは最近の車っぽく剛性感が高いですね。ただ、個人的にはもうちょっと強くブレーキが効いてくれてもいいかな?って感じです。(スバル車は全体的に、奥での効きがブレーキ踏力に対して弱めな気がします)
あとシフトチェンジですが、どうも私は5速から4速に落とす時に毎回引っかかりました。
どうもスムーズに決まりませんが、まあこれは慣れかな。
国道を流れに乗って走っていると、とにかく何の癖も刺激もなく、アイポイントが低い以外はとにかく「とても普通」って感じですかね。
運転していてスパルタンさは殆ど感じず、何か「特別な車に乗っている」という感覚はあんまり無いかな。
4ドアインプレッサSTI(GVB)の方が、特別感は感じた気がします。
さて、交差点を曲がって空いた道に入ったので、営業マンの許可をもらって2速で全開にしてみました。
心地良い音と共に軽快にエンジンは回っていきますが、良い感じにパワーが盛り上りそうになって「ヨシッ!」と思ったら、もうレブリミッターにバババッと当たってしまい、正直、「え?もうオシマイ?」と思いましたかね。
同じ2リッターのNAエンジンなら、S2000のF20CやインテRのK20Aの様に、そこから更にクォーンとレーシングエンジンに変身してトドメの一押しをくれるような、そういうフィーリングではなかったですね。
ただ街乗りしたりするには、とても扱いやすいエンジンだと思いました。
とにかくフラットトルクで、「癖がない」の一言につきます。
次に最大の売りである低重心エンジンの繰り出すコーナリング性能を試したかったんですが、残念ながらBRZに限り試乗コースは決まっているそうで、いつも試乗で行くお山には行けませんでした。
そこで交差点や、街乗りのカーブの感想になってしまいますが、曲がり方は独特のフィーリングですかね。ただ確かに低重心は感じますが、意外とフロントが重くてヨー慣性モーメントがでかいかな?ってフィーリングでした。
昔のNAのレガシーや、GRBのNAのインプレッサに似たフィーリングかな。頭がグイグイ入って行くイメージです。
この辺は、完全にフロントミッドシップのS2000やロードスターが繰り出す低ヨー車の、刺すような曲がり方(笑)とは、また違うフィーリングです。
あと操作面ではヒール・アンド・トーをやるのにアクセルペダルが軽すぎて、足の裏にインフォメーションがあまり来ないんですよね。
だからどうしても、踏み過ぎてしまいました。
個人的にはペダルはもうちょっと重いほうが好みですかね。
まあレーシングシューズの様な、底の薄い靴ならいいのかも知れませんが。
アクセルオンオフに対するエンジンレスポンスも、特にアクセルオフ時にすぐにスロットルが閉じないフィーリングで、いかにも「電子スロットル」って感じです。
総括すると、ペダルが軽いことも含めて、とにかく全体的に運転が楽。下のトルクもあるし、気分的にも疲れません。
足も硬すぎることもなく、かと言ってストローク感もそれ程無いですかね。
これといった欠点らしい欠点も無く、とても優等生的で完成度が高い車って感じです。
うーーん。 とまあ全体的に良く出来ていると思うんでうすが。。。
何て言うか、、、とにかく癖がなく、刺激も個性も薄い感じなんですよね。だから、どうにも記憶に残らないんですよ。
試乗記を書こうと思っても、あまり思い出せないほど印象が薄いんです。
まあ攻め込んだ運転をすれば、また違った顔を見せるのかも知れませんが、街乗り試乗だけだと、ファミリーカーに乗った様な薄い印象です。
(スバルさん、もうちょっと試乗させてくださいよ(笑)。)
ただですね、S2000にしてもRX-8にしても、インプレッサやランエボにしても、はたまたデミオにしても、個性のある車って街乗りしただけでも強烈な記憶として残るんですよね。
それこそ、後味が夜まで残っていて夢に出てくるような(笑)。
BRZは本当に久しぶりに出たスポーツカーなので、もうちょっと強い個性や癖を期待していたんですが、その辺はちょっと薄い気がしました。
ある車が好きか嫌いかを決めるには、その車のカラーというか強い個性が有って初めて、それについて「好き」とか「嫌い」とか言えるわけで、無味無臭のモノについてはどちらとも言えません。
ちょっと音楽に例えてみましょうか。
昔から熱狂的なファンがいる人気アーティストは、少なからず強い個性というか、癖を持っているものです。
例えばユーミンにしても、中島みゆきにしても、矢沢永吉にしても、長渕剛にしても、サザンにしても、チャゲアスにしても、ミスチルにしてもです。
これらはちょっと声を聞いただけで、誰だとすぐにわかるし、詞やフレーズだって「〇〇っぽい」とすぐわかりますね。
ただ熱狂的なファンが居る代わりに、「生理的に受け付けない」というほど嫌いな人も結構いるでしょう。(ここがプロとアマの違いでしょう)
対して音楽の授業で習う教科書に載っている歌や、ピアノ練習曲は、確かに色んな大事なものが詰まっていて教育上良く出来ているのでしょうが、強い印象が記憶に残りますか??
これらは、「生理的に受け付けない程嫌い」という人は恐らく居ないでしょうが、その代わりに「熱狂的なファン」にもなりようがないのですよ。
それこそ「無味無臭」なものに対しては、ファンにも、アンチにもなりようがないんですよね。
個性や主張が有って初めて、それについて好きとか嫌いとか思えるわけですから。
それは車でも同じでしょう。悪い所がない、無味無臭の優等生。
ファミリーカーだったらそれで良いでしょう。癖がないことは、利点であり長所ですから。
ただスポーツカーというのは、どちらかと言うと嗜好性の強い遊び車です。
だから、やっぱり強い癖や個性があったほうが面白いと思うんですけどねぇ。。。
スポーツカーとして出すんだったら、「こんな車を市販するなんて、バッカじゃないのー?(笑)」と言いながら思わずニヤけて運転してしまうような、その個性にはまってしまうような、そんな車が出て来て欲しいものですねぇ。
BRZはちょっと万人受けを狙った、無難な車になったきが気がしました。
まあ「絶対に失敗できない」というメーカーの考えが、遊び心や冒険心を奪ったのかも知れませんが。
昔、巨人の長嶋監督がある選手の事を「欠点がないのが欠点」と言っていましたが、そんな言葉が当てはまりそうな車ですかね。
ただ逆に、スタンダードな運転や、スポーツドライブの基礎を学ぶための教育用としては、癖がないので良いと思います。
ただ、若い人が初めて買う練習用の車と考えると、ちょっと価格が高いですが。。。
でもまあこれから恐らく、マイチェンなどで色んなモデルが生まれたりしてバージョンアップしていくと思うので、BRZはこれからに期待ですね。
以上
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