始めに乗る車選び


さて、まず始めにスポーツドライビングを学ぶにあたり、車の選択というのは非常に重要です。
始めに間違った車を選ぶと、技術の向上が非常に遅くなるばかりか、最悪さまたげになります。
よって、始めに車選びの話を書いてしまいましょう。

ちなみに私の持論は、「全ての基本はノーマルのFF車にあり」です。

まず、確実に言えることは始めにスポーツカーや、スポーティーカーなど走りの方向に振った車に乗らないことです。
一般車でも、スポーツグレードなどがある物は、それも避けた方がいいです。
理由は、まずこれらの車は速く走るように作ってあるので(実際に速いかどうかは別として)、限界が高めでコントロールするのが難しいからです。
またこれらには、失敗したり下手な運転をしても気付きにくいという、致命的な欠点があります。
ミスをしたり無茶をしても、車がカバーしてしまうのです。ハイグリップタイヤなどは、典型的な例ですね。

まあ、他にも色々理由があるのですが、ちょっと省略します。

私が始めに乗る車として勧めるのは、まず駆動方式がFF(前輪駆動)車であることです。
これは、オーバーステアを消すよりもアンダーステアを消す方が難しく、またアクセルで曲げる技術よりも、ブレーキで曲げる技術の方が難しいという私の持論によるものです。

FF車は、一般にアンダーステアが最も出やすい車で、そして、アクセルよりもブレーキの技術が占める割合が大きい車です。
実際に、FR車などで、カウンターステアを学んだり、ドリフトやらのアクセルコントロールを学ぶのは、後で大丈夫です。
これらは、実は比較的短時間で習得できます。
極端な話、車と場所さえあれば、1日あればカウンターステアなんてマスターできます。
そうすれば、オーバーステアを消すことも出来るはずです。

しかし上手いブレーキングだけは、できない人は10年車に乗ってても出来ません。
アンダーステアを消すことも、同様に難しいです。
よって変な癖がつく前に、正しいブレーキングと、アンダーステアを出さない運転方法を学ぶべきだと思います。
ライン取りや、他の技術はその後の話です。
ちなみにカートや、フォーミュラカーには、FF何て駆動方式はないので、いわゆる車の様なアンダーステアは出ません。
しかしながら、車のFFの運転技術はカートやフォーミュラにも生きるというのが私の考えです。(カートでは確実に生きます)

それが、ノーマルのFF車を選ぶ理由です。
そしてこの「ノーマルの」というのが、またポイントです。
例えばインテグラTypeRの様な、FFらしくない動きをする車は間違っても選ばないように。

一応、私の言うノーマルの条件を書くと、

1、エンジンはNAエンジン。
2、サスペンションは、非スポーツ系の街乗り用の物。 必ず純正品。
3、タイヤは、純正、もしくは同レベルのエコタイヤなどの物で、ハイグリップではないタイヤ。
4、デフは、オープンデフ。(LSDが付いていないものの事です)
5、90年代後半以降の車
6、ABS以外の電子制御が入っていない車。(ABSも無くて良い)


といった所でしょうか。
ミッションは、出来ればマニュアル車の方がアクセル操作に対するレスポンスがいいので、コントロールが楽でいいですね。
でも上記のような一般人向けのノーマル車では、マニュアル車は少ないので、見つけるのが難しい場合はオートマやCVTでも良いでしょう。
ただし、オートマのターボ車は、ターボラグと、オートマのラグがダブルで存在するため、極端にコントロールが難しくなるので、始めは避けた方が良いでしょう。

ちなみにシフトチェンジの技術も後回しでオッケーです。 これもミッションの仕組みさえ理解すれば簡単で、誰でも半年もあれば上手く出来るようになります。
それと、ハイグリップタイヤは、すべての練習をブチ壊すので絶対に履かないように。

意外なのが、5の最近の車かもしれませんが、これは衝突安全ボディーが出来てからの車って感じです。
ここらを境に、車の動きは大きく変化しています。
剛性が低い車は、コントロールが非常に難しいので、出来るだけ最近の車が良いでしょう。 2000年以降ならば、ベストです。
良かったら、こちらの記事を読んでみてください。 その辺の話が詳しく書いてあります。
また、資金に余裕があれば、ホイールベースの長い車の方が始めは優しいかもしれません。

一応、具体的にお勧めの車を挙げると、

初期型ヴィッツ
初期型イスト
現行(AK12)マーチ
初期型ストリーム
EUシビック(1500cc、5ドア)
アコードSir-T

軽自動車だと登りはちょっときついですが、

最終型ヴィヴィオ
初期型ワゴンR


何かが、特にお勧めです。
ちなみに全て、一番下のグレードです。 排気量は、一番下でなくてもいいですが、間違ってもRSの様なスポーツグレードなどを選ばないように!

ホンダの初期型フィットは、リアがちょっと粘るので、始めは難しいかもしれませんが、まあ選んでもいいでしょう。
現行のヴィッツもいいですが、電子制御のEBDがちょっと邪魔ですかね。
と言うか、練習用なので、まず車体が安い方がいいでしょう。 それとタイヤを沢山使うので、タイヤ代を考えると小さいインチサイズのタイヤの車がお勧めです。
最大でも15インチですね。 扁平率は60以上が練習が楽で良いでしょう。
上記のクラスの車は、普通はそうなっていると思います。
これも間違っても50以下の扁平率の物を選ばないように。上達するのに、遠回りするだけです。

他にも練習用にいい車が有るかもしれませんが、一応実際に自分で振り回した経験のあるFF車の中で、お勧めの物だけを書いておきました。 何か、殆どオートマしかラインナップに無い車ですね。
もちろん他に、欧州車など高い車で素晴らしいものは沢山有りますが、やはり外国産車は壊れやすいし、資金的に難しいと思うのでカットします。

この中でも一番を挙げろと言われると、、、うーん、EUシビックか初期型ストリーム(基本プラットホームは同じ)ですかねぇ。
ただ車重が重いので、燃費が今一ですけど。
小さい車なら、初期型ヴィッツが抜群に良いですかね。

さて、でわ次に中古で車を買って、お金をかけてリフレッシュする順番を書いておきましょう。
リフレッシュする資金が有る人は、まず始めにブレーキは強く効いた方がいいですね。
ブレーキパッドは初期が強い物の方が楽でしょう。通常は、純正で十分です。
他に予算が有れば、ダンパーの新品への交換をお勧めします。 ダンパーがヘタっていると非常に練習しにくいです。
もちろん純正品ですから、サスペンション一式交換ですね。
他はいじらなくていいです。と言うか、いじっちゃ駄目ですね。
まあ、バケットシートを入れたりハンドルの交換程度はいいですが、そのお金が有ればタイヤ代やガス代に回した方がいいでしょう。

さて、ホントにこんな車で運転が上手くなるのかいな??と思うかもしれません。
しかし、これらの限界の低いFF車の性能をしっかりと出して、コントロールできないと、他の車はまず無理だと思います。
限界が低い、素の車なだけにごまかしが利かないのです。
逆に、これらのFF車の限界性能を自由自在に出して、コントロール出来るようになれば(私はこれを、「車を支配下に置けている」と言っています)、スポーツグレードの車に乗った時に、簡単に曲がるし、失敗したと思っても車が助けてくれるので、「何て楽なんだ」と思うはずです。
そこまで行けば、しめたものです。

私自身、コントロールが難しいと言われている車をメインに乗っていますが、スランプにはまったりすると、これらのFF車に乗ってコントロールの感覚を思い出します。

さて、もう気づいたかもしれませんが、この練習開始方法は、子供の頃からカートをやっている人達とは真逆のやり方です。
今までの常識を変えて、このアプローチでやってみましょう。


ん?何やらちょっと不満の声が聞こえてくる気がします(笑)。
若い時は、始めからスポーツカーや、スポーツグレードの性能のいい車に乗りたいものですね。
私もそうだったので、気持ちはわかります(笑)。
更に、それが間違いだと気付いたのもずっと後です。

しかしながら、本気でうまくなりたいのなら、ちょっと我慢してください。
ドラテクより車の性能が先行しているよりも、限界の低い車で速くて上手いって言うのは、実はかっこいいんです。
また特に速さを目指さない人でも、「車をコントロールする」という、車の本当の楽しみ方を見つけられると思います。
まあこれから先の記事で、だんだん意味が分かってくると思います。

さて、今回は車選びの話なので、とりあえずこの辺で…

以上

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