自動車に必要な、簡単な物理学


さて、それでは軽く始めますかぁ。
物理と言っても、とても簡単に説明しますので、
構えずに頭をスッカラカンにして見れば、誰でも簡単に理解できます!!
騙されたと思って、読んでみてください!!

1、単位について:

まず始めに、物理学では一般にMKS系単位というのを使用します。
MKSとは、長さ(位置)にはメートル[m]、質量にはキログラム[Kg]、時間には秒[s]を、「単位として使用しましょう」というだけの意味で、それ以上の意味は無いです。
 

2、運動の力学:

それでは始めに、自動車に必要そうな運動の力学について説明してみましょう。

非常に簡単なので、まず、変位(=位置)、速度、加速度、力、仕事(=エネルギー)、仕事率(=馬力)、運動量、角速度、角運動量、 慣性モーメント、力のモーメント(=トルク)について、それぞれの意味と、関係について説明します。

・変位(位置、距離、長さ)とは:

位置のことです。単位は[m](読みはメートル)です。これはいいですね。

・速度とは:

1秒間に1メートル移動するような速度を、1[m/s]といいます。(読みは、メートル毎秒)
式は、
速度=位置の変化量/(変化にかかった)時間  です。
自動車では、普通はKm/hが使われますね。同じ意味の物です。
ちなみに、1 [Km/h]=0.278[m/s]です。

速度には、慣習に従い、文字vを使うことにします。


・ 加速度とは:

1秒間に1[m/s]ずつ速度が増していく加速度を、1[m/s2]といいます。(読みは、メートル毎秒毎秒。)
式は、加速度=速度の変化量/(変化にかかった)時間 です。
ちなみに、G(ジー)という単位と同意です。1G=9.8[m/s2]です。
1Gとは、地球の重力の加速度のことです。

加速度には、慣習に従い、文字aを使うことにします。


・ 力とは:

質量が1[Kg]の物を、1[m/s2]ずつ加速させ続ける力を、1[N]といいます。(読みは、ニュートン)
式は、
力=質量×加速度
です。これは、定義(決まり)なので、覚えちゃってください。
余談ですが、地球の重力加速度は、9.8[m/s2]です。よって、1[Kg]の物体が地面を押す力は、9.8[N]です。これを、1[Kg重](読みは、キログラムじゅう)と言ったり、1[Kgf](読みは、キログラムフォース)と言ったりもします。

力には、慣習に従い、文字Fを使うことにします。質量には、mを使うことにします。
すると式は、
F=ma
ですね。

・仕事(=エネルギー)とは:

1[N]の力で、1[m]動かす仕事を、1[J]といいます。(読みは、ジュール。ちなみに、カロリーも同意で、1[cal]=4.19[J]です。)
式は、
仕事=力×位置の変化量
です。 仕事は、エネルギーとも言います。
仕事の文字には、Uを使うことにします。動いた位置の長さをsとします。
力は、m×aなので、
式は、
U=m×a×s
ですね。
これは、いくら力を掛けても全く動かなければ、仕事はゼロになると言う事です。
これも、決まりなので、覚えちゃってください。


・ 仕事率とは:

一秒間に、1[J]の仕事をし続ける(エネルギーを出しつづける)仕事率を、1[W]といいます。(読みは、ワット。ちなみに、馬力と同意で、1馬力=735.5[W]です。)
式は、仕事率=仕事(の量)/(かかった)時間 です。
つまり、一秒当たりにする仕事のことですね。
例えば、1馬力のエンジンがあれば、100[W]の電球を7個付けられる事になりますね。

余談ですが、人間が1馬力出す事は可能なのでしょうか??
体重75Kgの人が、一秒あたり1[m]ずつ、階段を駈け上ればそれが大体1馬力です。
150Kgの人でしたら、一秒あたり50[cm]ですね。これは、不可能ではなさそうですね。
瞬間的にだったら、人が1馬力を出すことはできるんです。


さて、 とりあえず、これが運動の基本です。
ここまでわかれば、とりあえず一段落です。


次に、自動車のメカや、ドラテクのために、是非覚えておいた方がいい法則や式を説明してみましょう。

・慣性とは:

慣性とは、動いている物体は外から力を与えられない限り、同じ方向の、同じ速度で動き続けようとし、止まっているものは止まり続けようとする性質を言います。 まあ、当たり前ですね。
また、慣性は質量によって決まり、質量が大きいほど大きくなります。これを、慣性の法則といいます。
 

・運動量とは:

運動量は、質量×速度で表され、単位は力積と呼ばれる物と同じですが、単位は覚えなくても良いです。
運動量には、文字pを使うことにします。
式は、
p=mv
ですね。

ただ運動量は、外部から力が与えられない限り、保存する(変わらない)と言う事だけを覚えておいてください。
これが、運動量保存則です。

・運動エネルギーとは:

運動エネルギーは、
運動エネルギー=1/2×mv2
で表されます。式を導くには積分が出てくるので、ここでは省略します。暗記しちゃっていいです。
ちなみにこれは、この物体に与えられた仕事と等しいです。
単位も[J]で、基本的に、仕事と同じ物であると理解しておいてください。
運動エネルギーは、質量に比例し、速さの2乗に比例します。
また、運動エネルギーも、物体に何らかの力が与えられない限り保存します。
これが、エネルギー保存則です。

やっぱり、ちょっと詳しくエネルギーについて説明してみましょう。
自動車に出て来るエネルギーには、一般に運動エネルギーと熱エネルギーが存在します。
これらは、相互に変換が可能です。
熱エネルギーを運動エネルギーに変える機械の例が、エンジンです。運動エネルギーを熱エネルギーに変える機械の例が、ブレーキです。
その他にもエネルギーには、音エネルギーや、位置エネルギー、化学エネルギー、放射エネルギー、質量がもつエネルギーなどが有りますが、自動車ではあまり使わないので無視します。
ただ一つだけ覚えておいてください。 エネルギーは、形が変わってもその総量は変わりません。増やしたり、消し去る事はできないんです。
これが本当のエネルギー保存則です。

さて、直線運動はとりあえずこれだけです!!
とりあえず、これだけ覚えれば基本はOKです。
しかしながら、車というの機械は回転物だらけなので、次に回転についての力学を説明します。
 

2、回転の力学:

ここでは、回転軸が固定された簡単なモデルについて説明します。ハンドルや、タイヤや、ホイールでも思い浮かべてください。

・角度とは:



角度は、図のθを指します。単位は、[度]、または[rad](ラジアン)です。物理の世界では、通常はラジアン単位を使用します。
ただし、ラジアンの場合、単位は省略される事が多いです。

一般に使われる、単位の[度]との関係は、2π[rad]=360[度]です。
何故ラジアン単位を使うのかも意味があるのですが、とりあえず覚えちゃってください。
ちなみに何故、角度にはいつもギリシャ文字のθ(シータ)を使うかと言うと、昔からの習慣なだけで、他に意味はありません。
他の本を読んだときにわかりやすいように、ここでも慣習に従います。

・角速度とは:

角振動数とも言います。意味は、回転する早さで、一秒間に、1[rad]回るものの角速度を、1[rad/s]といいます。(読みは、ラジアン毎秒。)
一般に角速度は、ギリシャ文字のω(オメガ)で表されます。これも、昔からの習慣です。
車のタコメーターの表記は、rpm(revolution per minute、毎分回転数)で、これと似た意味です。
これは、一分間当たりの回転数なのはいいですよね?
ちなみに、1[rpm]=0.1047198[rad/s]です。

さらに、角速度ω[rad/s]を2π[rad]で割ったものを、回転数[s-1]、または周波数と呼び、[Hz](ヘルツ)と言います。
これは、一秒あたりの回転数の事です。
1分は60秒なので、1[Hz]=60[rpm]ですね。
つまり、6000rpmで回っているエンジンは、ヘルツ表記にすると100[Hz]ってことですね。

・角運動量とは:

まず、円周をω[rad/s]で回っている物体の速さの式は、
速さ=円の半径×ω [m/s] です。
つまり、
v=rω
ですね。

実は、このように計算を簡単にするために、角度にはラジアン単位を使用しているのです。
何となく理解できると思いますけど、これも決まりなので、面倒なら覚えちゃってください。

さて、 普通の運動量は、上で説明したように、質量×速度でしたね。
すると、回転している物体の運動量は、上の式より、
運動量=質量×円の半径×角速度
ですね。
つまり、
p=mrω
ですね。

更に、角運動量はこの運動量に、円の半径を掛けたものと決められていて、
角運動量 = 円の半径×(質量×円の半径×角速度)
です。
日本語だと長いので、質量を、m、半径をr、角速度をωとすると、
角運動量=r×m×r×ω=mr2ω
と表されます。
角運動量では、単位は使わないので覚えなくていいです。

角運動量も、運動量と同じように、外から力を与えられない限り保存します。
これを角運動量保存則と言います。
つまり、力が与えられない限り、回転が止まっているものは止まり続けようとし、回っているものは回り続けようとします。
まあ、これも当たり前ですね。

・慣性モーメントとは:

慣性モーメントとは、角運動量の、mr2 の項(部分)のことを言います。
よって、
慣性モーメント=mr2=角運動量/角速度
です。
これはとても重要です。
慣性モーメントは、回転物の、回転の「させにくさ」を表すものです。
この値は、質量に比例し、中心軸からの距離の二乗に比例します。
これが大きいほど、回転が止まっているものは回転させにくく、回転しているものは回転を止めにくくなります。
これは、フライホイールや、ホイールなどを思い出すと分かりやすいですね。
自動車業界では、「イナーシャ」と言う言葉も使いますが、慣性モーメントと同じ意味です。
低イナーシャのクラッチディスクとか、フライホイールとか言うのは、回しやすく止めやすいという意味です。

・力のモーメント(トルク)とは:

自動車では、トルクと言う言葉の方がずっと聞き慣れていますね。トルクと全く同じ意味です。よって、以下トルクと言う言葉を使います。
トルクとは、物体を回転させる力のことです。単位は、[N・m]です。(読みは、ニュートンメートル)
自動車の世界では、[Kg・m]と言うのも良く使いますね。これは、上記の通り、1[Kg]=9.8[N]なので、1[Kg・m]=9.8[N・m]です。 (正確には、Kgは質量の単位なので、[Kg・m]と言う表記はおかしいはずで、[Kgf・m]とするべき。)
トルクの式は、
トルク=円の半径×円の接線方向の力
です。
図のFが接線方向の力です。rが円の半径です。 慣習により、トルクをτとすると、
τ=r×F ですね。



まあ、テコの原理を思い出せば何となくわかりますね。半径が大きければ回転させる力も大きくなります。

ちなみに、トルクに、動かした角度を掛けると仕事量になります。
また、トルクに1秒当たりの回転数を掛けたものが、仕事率(=馬力と同意)になります。
これより、馬力=トルク×回転数(×定数) だという事が判りますね。

更に、トルク=角加速度×慣性モーメント というのも覚えておくといいでしょう。
これは、大きなトルクを掛けるほど、回転の上昇の仕方(角加速度)が速くなると言う意味です。慣性モーメントは一定ですからねっ。

・遠心力とは:

遠心力とは、円周上を回っている物体が、中心から外に膨らもうとする力です。これも、式の導きは微分が出てくるので省略します。
円周を回っている物体の遠心力の式は、
遠心力=質量×円の半径×角速度2
です。
つまり、
遠心力=mrω2
ですね。
更に、角度ではなく、速さの表記にすると、速さv=rωなので、
遠心力=mv2/r
も成り立ちますね。
これも重要だと思うので、式だけ覚えちゃってください。 この式は、多分今後良く出てきます。


さて、御疲れ様でしたぁ。これで、とりあえず運動の力学は終了します。
こうやって見ると、簡単ですよね??
たったこれだけの知識で、かなり自動車が理解できるはずです。
勘のいい人は、もう車の仕組みや動きと、式がくっ付いてきましたかも知れませんね。


*物理が詳しい人へ。
今回の説明は、何よりも解り易さを優先したため、ベクトルをスカラーとして扱ったり、微分積分を使わなかったり、法則の説明が大雑把(厳密には正確でない)だったりしています。
その辺をご理解ください。

一応、ちゃんとした表記でも書いておきます。微分がわからない人は、無視していいです。
位相をx、時間をt、速度をv、加速度をa、力をF、仕事をU、位相の変化量をs、運動エネルギーをEとすると、

ですね。


次に、回転運動だと、半径のベクトルをr、角度をθ、角速度をω、力をのベクトルをF、角運動量をP、慣性モーメントをI、トルクをτ、遠心力のベクトルをFr、時間をtとすると、



と言った感じですね。

 


でわ次に、摩擦とバネの力学の話に行ってみます。


3、摩擦の力学:

・摩擦とは:

摩擦は、接する物質同士が擦れる際に、接触面の方向に働く力です。
単位は、[N](ニュートン)です。



物体の摩擦力は、以下の式で表されます。
摩擦力 = 摩擦係数×垂直抗力
教科書だとこうですね。
もうちょっと判りやすく言うと、
摩擦力=摩擦係数×物体を押し付ける力 ですかね。
摩擦係数は、これまた慣習的にμ(ミュー)というギリシャ文字が使われます。(μは、自動車の世界でも良く出てきますね。)
μの単位はとりあえず覚えなくていいです。

よって、押し付ける力をFとすると、
摩擦力=μ×F ですね。
ちなみに、地面に置かれた物体に働いている力は、重力ですね。
力=質量×加速度 なので、加速度をいつも通りaとすると、
F=ma=mg [N] (gは、重力加速度で9.8[m/s2])ですね。
よって摩擦力は、
摩擦力=μmg [N] です。

摩擦係数μは、物質固有の定数だと思ってください。
例えば、道路の上のタイヤの摩擦係数は、大体0.9位、線路の上の、鉄の車輪で、0.6位です。

さて、ここで重要な法則ですが、摩擦係数には、動摩擦係数と、静止摩擦係数があります。
静止摩擦係数とは、止まっている物体を動かす時の摩擦係数です。
動摩擦係数とは、動いている物体を動かし続けている時の摩擦係数です。
一般に、と言うか、必ず、静止摩擦係数は動摩擦係数より大きくなります。
静止摩擦係数が1番大きいので、最大摩擦力は、静止している時になります。
これは重要なので、是非覚えておいてください。

摩擦の力学は、以上です。これは簡単ですね。
 

それでは次に、バネの力学に行きます。


4、バネの力学




上が、 力がかかっていない状態。
下が、x[m]引っ張った状態。   

バネは、基準状態から、x[m]引っ張ったり縮めたりすると、その変化した長さに比例した力を発生して、引っ張り返したり、押し返したります。その力をF[N]とすると、

F=-kx
です。 
これは法則なので、覚えてください。何故マイナスがつくかと言うと、引っ張ったxとは逆の方向の力が働くと言う意味です。
kは、バネ定数と呼ばれ、バネによってそれぞれ固有の値を持ちます。
ちなみにkには、バネの材質や、線の太さや巻き方などから、計算方法があるので、興味が有る方は調べてみれば面白いと思います。

また、バネは固有の角振動数を持ちます。
その周波数をω[rad/s]とすると、
F=m×ω2×x
となります。
つまり、k= mω2 と言う事ですね。
更に、角振動数がωならば、一周は2π[rad]なので、周期は2π/ω という事になりますね。周期をTとすると、

となります。

これらも、導き出すのが難しいので、何故そうなるのかはカットします。
式は覚えなくてもいいですが、上の式を見ると、バネ定数が高いほど、また、バネにくっついている物の質量が軽いほど、周期が短くなると言う事が判りますよね?
これは重要なので、覚えておくといいと思います。


お疲れ様でーす。ふー。
とりあえず、力学は以上終了でーす。意外と簡単ですよね?

* これも、詳しい人用にまとめときます。

力のベクトルをF、質量をm、位相のベクトルをx、重力加速度をg、摩擦係数をμ、ばね定数をk、角振動数をω、バネの周期をTとすると、



てな感じですかね。


さて、でわ次に、簡単に熱統計力学をかじってみます。
これも、とっても簡単なので、構えずに。

 

4、熱統計力学

・気圧(圧力)について:

1平方メートル (m2) 当たりの面積に、1[N]の力がかかる圧力を、1[Pa]といいます。(読みは、パスカル。)

大気圧は、1気圧といい、101325[Pa]です。
ちなみに天気予報など、気象の世界では、[hPa](ヘクトパスカル)と言う単位を使いますね。ヘクトとは、100と言う意味です。
ですから、1[hPa]=100[Pa]ですね。
よって、一般に一気圧は、1013[hPa]と言われます。

また、気圧には[mmHg](ミリエッチジー)と言う単位も自動車の世界では使われますね。
[mmHg]とは、水銀を1[mm]持ち上げるのに必要な圧力で、1気圧は、760[mmHg]です。

また、タイヤの空気圧や、ターボ圧(ブースト圧)等には、[Kg/cm2](読みは、キログラムパー平方センチメートル。略して、キロと言う人が多いですね。)と言うのも使われていますね。
1[Kg/cm2]とは、1平方センチメートル (cm2) 当たりの面積に、1[Kgf]=9.8[N]の力がかかる圧力のことを言います。
1気圧は、101325[Pa]ですから、1[cm2]の面積には、
101325×1/0.0001=10.1325[N]= 1.03[Kgf]の力がかかっていることになりますね。
つまり、1[cm2]の面積当たりに、約1[Kg]の物体が乗っているのと、同じ力が働いていることになります。
親指の爪ほどの面積に、1[Kg]と言うのは有名な話ですね。

ここで、重要なのは、空気圧やブースト圧計は、ゲージ圧と言われ、針が0を指している所が1気圧です。
それに対して、0を指している時に0気圧とする表記を、絶対圧と言います。
例を出すと、ブースト圧が1キロ(1気圧)かかってると言うのは、実際にはインマニ内の気圧は、2気圧であると言う事ですね。


また気体は必ず、気圧が高いほうから低い方に移動します。これは、自然界の法則なので覚えておいてください。

気圧の話は、とりあえずこのくらい知っておけば良いと思います。


・次に、簡単に、「気圧と、体積と、温度」との関係の話をします。






図(ピストンをイメージ)のような、密閉された空間(熱もエネルギーも外部から加えられない)では、温度が一定のとき、pとVは反比例します。
式は、
pV=一定    ・・・式1

温度をTとすると、以下の式が成り立ちます。
pV=nRT    ・・・式2 ただし、Rは定数、Tは絶対温度、nはモル数といい、簡単に言うと分子の数量です。

これらは、気体の基本法則です。
式2だけは重要ですので、覚えちゃってください。


・気体のする仕事について:

図の気体が、圧力p[Pa]で面積S[m2]のピストンを、x[m]動かす時に、気体は
p×S×x [J] の仕事をしたことになります。
S×xは、体積なので、気体のする仕事は、圧力×動かした体積 となります。

仕事=pV    ・・・式3

エネルギー保存則より、仕事をした分だけ、気体のエネルギーが減る=温度が下がる となります。
例えば、エンジンの燃焼膨張工程がこれに当てはまりますね。
膨張することにより、混合気の温度が下がります。

逆に、ピストンを押したときに、気体のエネルギーは 押す力×動かした体積 の分だけ増えます。
気体のエネルギーが増えるとは、温度Tが上がると言うことと同意です。温度が上がれば、体積Vが同じであれば、気圧pも上がります。(式2より)
例えば、エンジンの圧縮工程がこれに当てはまりますね。
圧縮することにより、混合気の温度と圧力が上がります。

ちょっと難しいですが、 膨張行程では始めの体積をV1、膨張後の体積をV2とし、気体がする仕事をWとすると、式3と、式2より、


となりますね。
積分がわからない人は、答えだけ見てください。
これより、V2/V1に注目すると、これは正に圧縮比そのものですねぇ。
よって、温度が同じなら、圧縮比が大きいほど大きなエネルギーが出せることがわかりすね。

この式は、圧縮工程にも成り立ちますが、圧縮工程は温度Tが燃焼行程より遥かに小さい為、圧縮比を変えてもプラスマイナス0にはならず、やはり圧縮比が大きいほど大きなエネルギーが出せることになりそうです 。


とりあえず、このページに必要そうな物だけと言うところで、熱統計力学はこの辺にしておきます。必要に応じて追加するかもしれません。

もっと詳しく知りたい人は、内燃機や、熱力学の本を読むといいと思います。


さてとー。
とりあえず、自動車に必要な物理の基礎知識は以上としますね!!


勘のいい人だったら、もう新しいセッティイングやチューニングの方向や、新しい運転の技術を発見したかもしれませんね!!



高校物理の本

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