BMW M135i 試乗記
さてさて、遅くなりましたが皆さん今年も宜しくです。
今年の一発目は久しぶりの試乗記です。 今回はたまたま乗る機会があったBMWの新しい車です。
名は、
BMW M135i xDrive 。
スペックはネットに詳しく載っているため簡単に書きますが、エンジンは2リッター4気筒エンジンで、
パワーは306PS/4500-6250rpm、トルクが450N・m/1750-5000rpm
とうことです。
なかなか凄いスペックですね。 メルセデスAMGの
A45Sも同じレイアウトのエンジンでパワーが
421ps/6750rpm、トルク500Nm/5000〜5250rpm と化け物じみていますが、2リッターターボでこのパワーというのは、一昔前のフルチューンエンジン並です。
それで数十万キロの走行を保証しているのですから……。
最近のエンジンはターボラグも殆ど無いし、なにかターボエンジンの世界にブレークスルーでも起きたのでしょうかね?
この車はスペックもさることながら、外見もかなり派手です。 空力を意識したフロントとリアのデザインで、なかなか私好みでカッコいいと思いました。
マフラーは2本出しですが、アイドリング時は片側の出口のスロットルの様なものが閉じていました。 音量対策でしょうか?
それと個人的に一番やる気(?)を感じたのがブレーキキャリパーでした。 ローターの1/4以上を覆っているんじゃないかな?
流石にガチでアウトバーンを200km/h以上で巡航出来る車ですから、止めることに重点を置いているのがわかります。
では乗車してみましょう。
運転席に座ると、意外と座面が高いかな?と思いましたかね。
そしてドアを締めたときの剛性はまるで、石棺に入るような気分でした(笑)。
エンジンを掛けると、マフラーからバブリング音が「バラバラ」と聞こえ、普通の車じゃない感を上手に演出しています。 新しいスープラやA45もこの様な演出があるようなので、これは欧州車の流行りなんでしょうか?
昔を知る人間が聞くと、ついアンチラグシステム(ミスファイアリングシステム)でも付いているのかな?と思います(笑)。
では早速発進。 残念ながら試乗した車はオートマ車ですがエンジンレスポンスは上々。 でもそれ以上に強烈に感じたのが、ボディー剛性でした。
とにかく硬い! まるで6本のピラーが全て10cm四方の鉄の角材で作られているのか?と感じたほどでした。
だって目を瞑ると見えるんですよ、角材のピラーが(笑)。
本当にここまでやるか! と思ったほどのボディーの硬さでした。 まさに”石棺”という表現がピッタリです。
そしてボディーの硬さを更に助長するのが足回りの硬さと18インチのランフラットタイヤです。
はっきり言って今や日本のワインディング路の殆どにある減速帯では、跳ねるし腰に衝撃が来るしで、お世辞にも乗り心地通いとはいえません。
これはFD2のシビックタイプRも真っ青の乗り心地ですよ。(購入を考えている方は、一度試乗することをおすすめします)
まあランフラットタイヤを普通のタイヤに変えれば多少は改善するかもしれませんが、大径で低扁平のランフラットタイヤで日本の減速帯を走るのはかなり厳しいのでしょうね。
ですがタイヤだけでなく、明らかにサスペンションも硬いんですよね。 昔の車高調の様に速度が上がれば乗り心地は改善していきますが、日本の法定速度には明らかにセッティングが合っていないと思われます(笑)。
やっぱりアウトバーンを200km/hで巡航するためのセッティングの車なのだと思いました。
次にエンジンですが、低中回転のトルクは凄いです。 国産車ならばランエボやインプの加速に近いんじゃないかな?
ただし、、、です。 いかんせん車体の重さを感じます。
私の人間センサーで測ったところ、「1560kg!」と思いましたが1580kgでした。 少し外しましたね。
ちなみにこの車重はR34のスカイラインGT-Rと全く同じです。 当時はGT-Rは重いと言われていたんですが時代ですかねぇ……。。
昨今のこのカテゴリーの車は皆こんなものなのででしょう。
まあ四輪駆動車なのである程度は重くなるのは仕方がない気もしますが、この車重の対価としてあの剛性が出ているのだと納得しました。
この車はランエボやインプレッサとはエンジンパワーが同じであっても、あの爆裂な加速フィールではなく、いや、爆裂なんですけどその中にも上品さがある加速をしましたかね。 レブリミッターに当てるまで回しましたけど、比較的上までトルクが付いてきましたよ。
諸事情によりあまり攻め込めなかったんですが、
サロンのメンバーの殆どの方がマスターした
”荷重曲げ”を軽くやったところ、脇腹にシートがめり込むような曲がり方をしました。
「なるほど……、剛性が高いってこういうことなんだ」って改めてその意味がわかりました。
総評して、、、コンパクトな1シリーズで超高剛性ボディーを作り、その剛性に見合ったエンジンを与えられた車。
四輪駆動車なので安定もしているでしょうし、良く曲がりそうでした。
「では欲しいか?」 と聞かれたら、、、そうですねぇ……。
まあ600万円オーバーの価格は置いておくとして、ミッションをがマニュアルで車重があと100kg軽かったら欲しいです(笑)。
そして私なら購入後、ランフラットタイヤを普通のタイヤに変えると思います。
因みにホイールのインチダウンは無理なんですよねぇ。 それは上記のこのキャリパーのデカさを見ればわかると思います……。
剛性を上げる → 重くなる → 制動が厳しくなる → ブレーキシステムの強化 → ホイールのインチアップ
最近の車はこの様な流れになるんでしょうね。
ただし、限界性能はとてつもなく高そうでしたよ。 恐らくそこらへんの峠道で振り回すのは難しそうです。
よって色んな意味で日本では少し手に余りそうな車でした。
以上。
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