ランエボとインプレッサの小話  その8



さて、 内装など走りに関係のないところはここでは飛ばしまして(笑)、次にボディー剛性について書いてみましょうか。

GC8時代のインプレッサの剛性は、お世辞にも高いとはいえませんでした。
いや、どちらかと言うとボディーがペラペラというイメージです。
でもまあそれがあの軽さを生み出していて、直線加速の良さを生んでいたわけですね。
当時は“走る棺桶(笑)”なんて言われていたほどペラペラでめちゃくちゃ軽くて速いってイメージです。

何というか、「どうせWRCではプロドライブさんがボディー補強を幾らでもしてくれるから、ベースの市販車はこれでOKでしょう?」というのが私のイメージでした。
対するランエボは、エボ3まではまあインプレッサと大差なかったと思います。 軽い代わりに剛性は低かったですね。
だだエボ4(CP9A)以降のボディー剛性は、GC8とは比較にならないほど上がっています。
同じ世代の車とは思えないほどこれは違いますかね。
GC8にロールケージを組んで、フレームに溶接留めしても、ノーマルのランエボより劣るほどでした。

インプレッサはGDBになってから、ボディー剛性がメッチャ上がりました。 もちろんランエボのCP9Aよりもずっと上でしょう。
GDBと 同世代のランエボはエボ7以降になりますが、こちらも画期的に剛性が上がっています。
GDBとCT9Aを比べると、ボディー剛性はまあ互角でしょう。

ただボディーの重量がランエボの方が少し軽くなっているし、エボ8MRから導入されたアルミルーフはかなりお金をかけた凝ったもので、優秀です。 また、エボ8以降に搭載されたドライカーボン製のリアスポイラーも、量産車としては超贅沢品ですね。

よって軽さの分だけボディーについては、僅差でランエボの勝ちとしましょうか。
 

最後に電子制御について少し書きましょうか。
センターデフを物理するにも書いてきた通り、電子制御の先行性に関しては、まあランエボの方が上でしょう。
特にエボ10の電子制御は素晴らしい完成度を誇るそうです。
インプレッサも頑張っていますが、常にランエボを追いかけている感が否めませんかね……。
 

おまけ

ディーラーの対応やカタログの出来や営業力:
スバルの圧勝です。

世間的なイメージ:
漫画等の影響で多分インプレッサの方が良いのでは?(笑)
 
ドライバーの違いは?:
世間的にはランエボはオタクが乗っているというイメージが強そうですが、実際にはランエボ乗りはメカの知識はそこそこにしてガチで走る人が多く、インプレッサ乗りはメカオタクや車オタクで、走るよりもウンチク好きが多かったかな?
(あくまで私のイメージです!)


総評して、同世代の両車を比べると、車格が70万円程度違っているかな?というのが私の感想です。
もちろん、ランエボの方が70万円高い車って感じです。
 
水平対向エンジンを搭載するインプレッサは、確かに低重心低振動、縦置きエンジンにシンメトリカルレイアウトで、物理的に綺麗だといえるでしょう。 その言葉に偽りは無いと思います。
ですが物理的にはそうであっても、工業製品として自動車工学的に考えると、必ずしも美しい車だとはいえないと思います。

逆にランエボは物理的には平均的かもしれませんが、自動車工学的にはとても美しい車です。

そうですねぇ……。
例えが上手いかどうか分かりませんが、インプレッサは荒く磨かれたゴールド。 ランエボは、キレイに磨かれたプラチナ。
インプレッサは素材は最高だが、磨き方がやや甘い。 ランエボの素材は一歩劣るが、磨き方が絶品。
よって結果的に似たような輝きを放つのでしょう。
 
ちなみにメーカー的な区分では、両車ともスポーツカーではありません。 4ドアセダンの車を普通はそう呼ばないようです。
ですがどちらも嗜好性の強い車であることは間違いがありません。

一見似ている両車ですが、私はこう定義しています。
インプレッサは高速道路や公道を楽しく快適に、またその気になればとてつもなく速く走れる、スポーティーカーである。
 
対するランエボはスポーツカーでもスポーティーカーでもありません。
ランエボは、“競技車”です。
 

 
メーカーへ一言:
三菱自動車さんへ。 あなた方が思っているよりも、日本人、いや人類にとってランエボは重要です。 エボリューションを止めないでください。
 
スバルさんへ。 車体の価格を上げすぎるとインプレッサを特に選ぶメリットがなくなってしまいます。 安いのにメッチャ速いのがこのクラスの日本車の魅力なのです。
多少性能を落としてでも、車体価格を抑えて欲しいというのが皆の願いです(多分)。
 
 
 
読者の方々へ:
こんなに速くて高性能な車がこの値段で買えるなんて、日本に生まれたことはとてもラッキーだと思うべきでしょう。
以前、エボやインプは、その加速力だけで違法ドラッグを使わずともトリップできると言っていた人がいました(笑)。
この表現は、言い得て妙だと思います。
そしてドラテクを磨けば、更にその先の世界を見ることが出来るのです。

 

さて、こんなところですかね。
以上、ちっとも小話ではなくなってしまいましたが(笑)、長く続いたエボとインプの小話、終了です。
この二台の魅力が少しでも伝わっていれば嬉しいです。

今回の記事は、何だかランエボを推す感じになってしまいましたが、少しは漫画等の影響で生じた悪役のイメージが消えれば幸いです。
 
 
取り敢えず、以上。


Back        Top