どうして、ノーマルではエンジンパワーがカタログ値より大きく下回るの?


どの車でも、大体のNAエンジンでは、実測のパワーがカタログ値を下回っているのは有名な話ですね。

ちなみにF20Cの実測値は、実測では補正を掛けても、220馬力から230馬力って所でしょうか。
B18C-Rがほぼカタログ値を出していたのを考えると、ちょっと低い気がしますね。

ちなみに現在のカタログ値とは、「ネット値」と言われるもので、エンジン搭載状態とほぼ同じ状態で計測と言うことですね。
しかしこの、「ほぼ同じ」って所がくせ者ですねぇ。

少なくともカタログ値は、水温補正と、吸気温補正が入っている状態ではないでしょう。当たり前ですね。
ただ実際の車は、無限 ローテンプサーモスタットのインプレに書いた通り、ノーマルでは確実に水温は補正値を超えます。
吸気温も、純正のエアクリーナーでは、超えていることが多いと思います。

これだけでも、かなりのパワーダウンとなりますね。
また、たとえ補正が掛からなくても、吸気温が変わればパワーは大きく変わります。
ただカタログ値の測定時の吸気温は、私の知る限り公開されていないので、この辺は解りませんね。

また一般に、FF車やMR車と比べて、FR車は測定値がカタログ値より小さい値になる傾向があります。
これは、ネット値と言うのは、エンジンのクランクシャフト軸から直接測るのに対して、FR車はエンジンから駆動輪までが遠いため、
プロぺラシャフトなどのイナーシャ(慣性モーメント)を持つものを多く通すためだと思います。

まあ、これらはどのエンジンでもある事なので、次にS2000で特有だと思うものを書いてみます。
補正などの電子制御系以外で、F20Cのパワーを抑えている物は、ズバリ、「マフラー」だと考えています。
皆さんも知っていると思いますが、社外のS2000のマフラーは、音量が非常に大きい物になりがちですね。
無限製ですらそうです。

特に、アイドリングや低回転での音が非常に低温で、籠ったりしますね。
どうやらS2000は、インテRやシビックRに比べて、非常に消音がしにくいようです。

私が考えるこの最大の原因は、「マフラーの短さ」ではないかと思っています。
S2000の触媒は、大体ドライバーのお尻の下あたりでしょうか。つまり、そこから後ろだけで消音しなければならないわけです。
S2000は車体も短いし、フロントミッドシップの縦置きエンジンのため、FF車と比べて、どうしてもマフラーが短くなるので音を消すのが難しいのでしょう。
純正が重量増を覚悟してでも、2本出しにしたのは、音を消すための苦肉の策だと思っています。

実際に、筑波スーパーラップで、サーキットの音量規制に引っ掛かって黒旗で止められたのはS2000くらいじゃないでしょうか??

後は、オープンカーのため、クローズドボディーの車に比べれば音量を抑えめにしようというメーカーの考えもあるのかもしれません。
とにかく、音量とパワーを両立するのは難しく、消音性を上げるとどうしてもパワーが落ちます。
(どうしてそうなるかは、どこかに書くかもしれません。)

まあそんな感じで、マフラーが本来のエンジンパワーを落としている最大の原因だと私は考えています。
もちろん効率のいいマフラーに変えたら、コンピュータも同時に合わせてやる必要があると思います。
それ位、燃焼効率が変わってしまうでしょう。

実際に、マフラーとコンピュータだけで、これほどパワーが上がるNAエンジンもあまりないと思います。
(まあ、故意に280馬力以内に抑えていない、2リッター以下クラスの話ですけど。)

その辺が、ノーマルのS2000のパワーが、カタログ値と、実測値で大きく違う理由ではないかと、私は考えています。


以上

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