センターデフを物理する
さて、次に四輪駆動車について書いてみましょうか。
この記事は
駆動方式を物理するとどちらに書くか迷ったのですが、メインが、と言うよりも四駆においては重要な話の殆どがセンターデフについてなのでこちらに書くことにします。
昨今では四輪駆動車って、意外と増えていますよね? 2000年頃には四輪駆動車やターボ車は燃費が悪かったり環境に悪かったりと言った理由から一時期減りましたが、技術革新によって燃費が良くなったターボも復活してきましたね。
欧州車では、VWやBMWを筆頭にコンパクトターボがとても多くなっていますし、ディーゼルターボも多いですね。
動画のはじめの方に言った通り、ディーゼルは元々ターボと相性が良いですから。
それと同時に
「重くて燃費が悪い、曲がらない」等といったネガな要因が多かった四輪駆動車も技術革新でまた復活してきていますね。
昔は特にRV車に多く、RV人気の消滅とともに消えかけた四輪駆動ですが、今は逆にセダンやワンボックスに増えていますね。
つまり、現代ではオフロードなどを走る四駆とはまた違う目的で四輪駆動を採用するケースが多くなっているのでしょう。
ちなみに私個人的には、
将来は殆どの車が四輪駆動になるのではないか? と考えています。(例えば、プリウスなんかも四駆が出ましたね)
それほど四輪が駆動している事自体にはメリットが多いのです。 よっていずれ、読者の方の中にも四輪駆動車に乗る人が増えてくると思うので、少し詳しく四駆の話を書いてみましょうか。
ではまず、四輪駆動の特徴を考えてみましょう。
四輪駆動車の特徴は、まず第一に
「全てのタイヤが駆動輪であること」。
って、当たり前ですね(笑)。
ですが敢えて言いましょう。
四輪が駆動していること自体は、二輪駆動車と比べて大して車の挙動を変えないんです。え? 言っている意味がわからないって?(笑)
四輪駆動車は曲がりにくい、安定していてスピンしにくい、トラクションが高い、はたまたカウンター(逆ハンドル)を当てたドリフトは出来ない、などなどといった特徴は、全て
四輪が駆動しているからではないんです。
ん? 信じられませんか? ですが事実ですよ。 例えば第二世代のスカイラインGT-RであるR33,R34GT-Rなんかは、フルノーマルでも綺麗に逆ハンドルでドリフトできます。 また、GC8時代のインプレッサSTIは、ターマックギア(後述)を入れたりDCCD(ドライバーズ・コントロール・センターデフ)を旋回優先に設定すれば、ドリフトも出来るし結構簡単にスピンしてしまいます。
参考映像:
ビスカスカップリング式の固定デフを持つGTOとランエボVと、センターデフを持たないGT-R、センターデフをフリーに近く出きるインプレッサSTIの挙動比較用。
またR35GT-Rも初期型は、意外と安定性が低くオーバーステア特性でしたね。
これらの車は当然、トラクションも二駆ほどではないにしろ弱めです。
では上記のような一般に言われている四駆の特徴は、一体何から来るものなのでしょう?
ズバリ言うと、それは
「センターデフが付いているから」なんです。
つまりある意味で四駆を四駆たらしめているのは、センターデフなのです。
そしてそのセンターデフは、前後の両方が駆動する四輪駆動車にしか付いていませんね、当然。
つまり四輪駆動車には、前後に加えセンターデフが付いているため、合計で3つデフが付いていることになります。
そして重要な事は、二輪駆動車においてもデフの設定によって車の挙動を変えることが出来ますが、四輪駆動車のセンターデフが車の挙動を変える程度は、
二駆とは比較にならないほど大きいのです。
よって四輪駆動車では前後のデフよりも、センターデフのセッティングが一番重要だと私は考えています。(何故か大好評の
ランエボZGT-Aの試乗記に書かれている話も、センターデフの変更の話ですね)
ちなみに上記の第二世代のスカイラインGT-Rにはセンターデフは付いていません。
また、GC8のターマックギアというのはセンターデフをオープンデフ状態にするものですし、DCCDをフリーにするのも、センターデフをオープンデフに近い状態にするものです(どちらも後に詳しく述べます)。
だから四駆なのに逆ハンドルでドリフトできたり、良く曲がったりと、四駆らしからぬ挙動になるのです。
さて、このHPは基本的に速く走るための話なので、悪路を走るためのRV系の四駆の話は省略しますね。
そして国内において速く走るための四駆というのは、実際には
GT-R、ランエボ、インプレッサSTI(WRX
STI)の3車種だと言ってよいでしょう。(GTOも有りますが、少し古いしマイナー車気味ですから省略しますね)
走りが好きな人はこれらの車の仕組みや歴史に興味がある人も多いかと思うので、これら具体的な車種の話も交えて書いていく予定です。 乞うご期待!!
続く……
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