抜群に効くワイドトレッド化 その3
さて、それでは
前回の続きです。
ちょっと忙しくて、記事更新の間隔が空き過ぎましたね(笑)。
次に前回書いたように、「タイヤがインナーフェンダーに当たる」と言う、元々はネガティブな理由から付けた、フロントのワイドトレッドスペーサについてのお話です。
これもまた友人が5mmの物を持っていたので、それを借りて装着。
付けてみた感想は、おおよそ
今までに書いた理論による、予測通りでした。
まず、ステアリングの初期の効きは、やはりダルくなりましたね。
その代りに、アクセルオンで切り続けた時などは良く曲がるし、何より深舵が良く効きます。
また、コーナリング速度の限界は上がった様な感じで、高速コーナーは良い感じです。
アクセルオンでパワーオーバーにも持って行きやすくなりましたかね。
この辺は全くもって理論通りで、
まあハンドルを切れば曲がる感じで、多少コジるような雑な運転をしても曲がって行くイメージです。
ただですねー、、、これは個人的にはどうにも気持ち悪い曲がり方ですねぇ。
S2000らしさが、完全にスポイルされている感じなんですよね。 カートっぽい動きが無くなってしまいました。
具体的には、まず、ヨー軸の位置が変わり、ホイールベースが長くなって、何か車の後ろの方に座っている感じです。
例えて言うなら、長い列車の最終車両に乗っている様な感じかな?
また、
長く回り込む高速コーナーでは、車の姿勢に対し曲がり過ぎる感じで、車を自分で曲げていると言うより、曲がって行っている感じかな?
あと、自分のイメージよりも奥で曲がるので、ちょっと予測しにくく怖いかな。
フロントのロールスピードが遅くフラットな乗り味になり、この感じは、極端にフロントにキャンバーを付けたシルビアやRX-7(FD)に似ていると感じました。
車体がトコロテンの様に、ウニョっと押しだされる感じで、フロントタイヤにパワーを喰われている気がします。
また、コーナーリングはモロにタイヤの横グリップで曲がっているフィーリングで、タイヤの縦グリップを使って曲げる(後述)運転をしようとすると、難しい感じですかね。
更に、ハンドルのギア比がスローになった感じで、初期にパキンと向きを変えて姿勢を作れる人や、車を振り回せる人は気持ち悪いと思います。
このセッテングは、初級者が乗れば楽に速く走れる気がしますが、個人的には運転が上達しない気がしますかね。
ハンドルだけで車を曲げる人は、運転しやすいと思うかもしれませんが…。
速く走ろうとすると、運転方法のバラエティーが一つしか無くなってしまった感じです。
良くサーキット仕様等のS2000で、前後同サイズの太いタイヤを履いている人がいますが、フィーリング的にはそっち方向ですかね。
まあどちらにせよ、「
始めに」に書いたように、S2000らしさが無くなってしまった時点で、私的にはNGですね。
ちなみに、何故リアと同じ5mm(合計10mm)だけトレッドを広げただけなのにこうなってしまったかというと、ノーマルでS2000はフロントよりもリアのトレッド幅が広いので、リアが
10/1510=0.66%
広がったのに対し、フロントは
10/1470=0.68% 広がったことになり、実質リアに対してフロントのトレッドの比率が上がったからでしょう。
ただ今回の、フロントのトレッドを広げたのも悪い事ばかりではりません。
唯一、
ブレーキング時の効きや安定性だけは、掛け値なしに良くなりました。
これは、フロントのレバー比が大きくなり、実質フロントのバネレートが下がってブレーキング時に前輪の荷重が大きくなったのと、トーが安定方向に大きく変化するようになったのでしょう。
特に実際に運転すると、ブレーキング時にトーが大きく変化している気がします。
さて、この失敗かと思ったフロントに5mmのスペーサ装着テストですが、実はこのテストは、私にとても大切な事を気付かせてくれました。
それは、
「車高を下げるとスクラブ半径が変わる」と言う事です。
車高を下げると、ロールセンターやアライメントを始め、色んな物が狂いますが、スクラブ半径はちょっと忘れていました。
それでは次回は、フロントのトレッド幅と、スクラブ半径と、それによる特性の変化についての話です。
続く…。
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