Winmax ARMA SR
DixcelのZtypeが今一だったので、色々調べて選択。
Ztypeは、特に高温時に効かない、フェードしやすいのが何よりもネック。
更に
温度によって、
μ変化が大きいのも、効きが予測できないのでいただけない。
探したのは、今は無き
DelphiロッキードのZRの様な効きのパッド。
一言で言うと、低温で効き、高温で効き、初期が効き、奥でも効き、温度によるμ変化が少なく、
メタルパッドではない、リーズナブルな値段のスポーツパッド。
とまあ、夢の様なパッド。
ARMAは、S2000に乗っている人達の中で評判がいいようなので、ちょっと調査。
街乗りや通勤にも車を使う私には、競技用のパッドはちょっときついので、オールラウンドに効くパッドと言う範囲で選んだ。
さて、
ブレーキはなぜ止まるのかに書いたように、高温でも効くパッドはどうしても鉄の含有量が多くなる。
それは、どうしようもないこと。
しかし、調べてみるとARMAシリーズは、このクラスのパッドの中では、トップレベルに鉄の含有量が少ないらしい。
要するに、鉄の力を借りずに高温で高い
μを出しているとの事。
鉄の含有量が多いと、どうしてもブレーキダストも鉄分が多くなり、高温時にホイールやボディーにくっ付くと、
メッキをした様になり取れなくなる。(
それは、初期のロッキードのZRでもそうであった。)
ちなみに、白い車だと、フェンダーがブレーキダストの錆で、だんだん茶色くなって目立つことも良くある。
ダストが出るのは構わないが、洗っても取れなくなるのはちょっと…、と思っていたので、
鉄の含有量が少ないのは非常にプラスポイント。
更に足廻りを変えてから、
市販車のブレーキチューニングについて考えるに書いたように
、
ブレーキの前後バランスについて結構考えていた。
足を固くすると、ブレーキが前効きになり、後ろのブレーキが殆ど仕事をしないので、制動距離が伸びる。
よって、前後の効きのバランスをパッドで調整したいと考えていた。
ARMAは、RD,SR,SSの3グレードが用意されていて、前後でグレードを変えてバランスを取る事が出来るのも、
大きなプラスポイント。
さて、パーツを選ぶにあたり、第三者のパーツインプレを見たり、知人に聞いたり、掲示板で質問をしたりするもの良いが、
まず始めにやる事は
「作った人に聞いてみること」だと思っている。
カタログやウェブに電話番号やメールアドレスが載っているので、私は疑問が有ったら良く作った人に聞いてみる。
どのメーカーも、意外と丁寧に答えてくれますよ。
ARMAもメーカーの人と相談して、とりあえずグレードは前後SRに決定。
また、ARMAに表記されている対応ローター温度域は、常用可能温度域であって、
瞬間温度域ではないので、他メーカーと比べて低めに表示されているとの事。
確かに、今までのZRやZtype等は850℃まで対応と書いてあったが、その領域まで行くか行かないかで、
すぐにフェードしたし、高温域を常用するとあっという間に摩耗した。
ARMA SRは、700℃まで対応と書いてあるが、それは常用可能域らしい。
実際に、ZRやZtypeよりも全然高温域で効くし、このパッドは私の運転では、初めてフェードを感じないパッドである。
特性は、若干高温で効く様に振ってあるが、
μ変化の唐突感が殆ど無い。これは優秀。
街乗りなどの低温域でも、純正並みに効く。
かといって、低温で耐摩耗性が落ちる事もなく、ローターを攻撃するわけでもない。
ちなみに私にとって怖いブレーキとは、初期が強すぎるブレーキでもなければ、
コントロール性が悪いブレーキでもなく、
「効かないブレーキ」。
まあ当たり前だが、鳴きやダストやコントロール性は、まず効くのが前提の話。
Sタイヤ専用品など、コントロール性が悪いブレーキは技術で何とかなるが、効かないブレーキはにっちもさっちも行かない。
(ハンドルで横向けて止めるしかない)
このパッドは、初期も効くし、奥でも踏力に応じて効くし、高温でも効く。
このどんな状況でも効くと言うのが、何よりも安心感が有り心強い。
Sタイヤの使用もOKと言うパッドなので、純正16インチのラジアルタイヤだと
効き過ぎると感じる人もいるかもしれないが、私はこれ位効く方が好み。
特にタイヤをRE-11にしてからは、これ位効いて欲しい感じ。
またまだ使いきっていないが、耐摩耗性も、私の運転だと今までのZRやZtypeよりも良さそうである。
肝心の前後の効きのバランスも、悪くない感じである。
おそらく始めから、車高調を入れた車を前提に作ってあるのかな??
リアだけSSのグレードにしようかとも思ったが、踏み方を覚えてしまえば、今のところ不満は無い。
とにかく鉄の含有量が少ないロースチールパッドで、これだけの性能を出せるのは立派。
とまあ、何かベタ褒めになってしまったが、当然副作用もある。
まず鳴きは半端じゃないと覚悟しておいた方がいいかも。
ZRや、Ztypeも暖まるとかなり鳴いたが、このパッドは街乗りでも、ママチャリの様に鳴く。
むしろ、信号停止時など、低速域の方が無くかな?
余談だが、欧州ではブレーキは鳴くものだと認識されているようだが、日本人は気にする人が多いですねぇ。
個人的には、鳴くのはあまり気にしない。
ただ、確かに鳴きますね。
そして次にダストもすごい。いちいちホイールを洗うのが馬鹿らしくなるほど汚れる。
遠くから見ると、純正のシルバーのホイールが、「うーん、渋いブリティッシュブラックのホイールだなぁ」と思うほど。
雑巾で拭くと、きな粉か?と思うほど、ダストがボロボロと取れる。
ただ、完全に水拭き、水洗いだけで取れるのが良い。へばり付くことはない。
だから、気が向いたときに一気に洗えばいいかといった感じである。
(私は、ホイールの汚れもあまり気にしない。ホイールは、走れば汚れる物だと思っている。)
しかし、あまりにフェードせずに良く効き続けるので、調子に乗ってガツンガツン踏んでいたら、ローターがこんなになってしまった。
細かいクラックです。
このクラックは表面だけみたいで、走れば消える。今のところ走行上は問題ないが、ちょっと怖いかな。
ローターはDixcel製だが、こっちが先に音を上げたようである。
まあ、スリットが入っているだけで、一番安物ですからねぇ。
ちなみに、このローターは、Ztypeで使用した物を再利用。
私はパッドとローターはいつも同時に交換するのだが、Ztypeがあまりにローター攻撃性が低かったので初めて再利用した。
よって、負担も多く掛かっているだろう。
しかしこうしてマジマジと見ると、何となくローターから悲鳴が…。
とまあ、副作用はあるものの、私にとっては優等生のパッド。
今まで一番気に入っていた、ZRよりもすべての面で上。値段も安価。
得意な運転の操作は、迷わずブレーキングと答える私にとって、いいパッドとの出会いは非常に嬉しい。
これからは、パッド選びに悩まなくていいのでありがたい。
鳴きとダストを気にしない人には、お勧め。
以上
*ARMAのSRは名前が変わって、今はAP3になっています。
AP3はこちらから購入できます(フロント用)
同じくこちらがARMAのAP3(リア用)
Back
Top