四輪駆動車を速く走らせる運転 序論



さて、暫く貧乏チューンの話が続いたので(笑)、ここらで久しぶりにガッツリ運転技術の話に入りましょうか。

私自身が理論だけでなく、四輪駆動の車をかなり乗れるようになってきたと思うので、そろそろドラテクの話を書いてみます。
でも中には 「四輪駆動車なんて乗ってないから興味がない」と思う方もいるでしょうね。

しかしながら以前にもどこかに書いた気がしますが、これから先の未来は、殆どの車が四輪駆動車になると私は考えています。
それほど四輪駆動車にはメリットが多いのです。 今までの四輪駆動車には独特の癖があってネガな部分がありましたが、電子制御のおかげでそれらも解決されつつありますよね。
(完全なEV車(電気自動車)になれば四輪駆動にするのが極めて容易なので、やはり世界は四輪駆動の方向に行くと思います)
よって今のうちに四輪駆動車について理解しておくのもプラスになると思います。
 
この項を読む前に、必ずセンターデフの話本項の四輪駆動車の話を読んでおいて下さいね。
先に読めば理解の効率が全く異なりますので。
 
四輪駆動車を速く走らせるために必要なことは、一言で言えば「いかにコーナーを速く曲がれるか」につきます。
四輪駆動車は元々直線加速などではトラクション性能が優秀だし、直線制動もセンターデフのおかげでフラつかず安定しているし、唯一四輪全てにエンジンブレーキが効く構造のため、車重が同じであれば得意でしたね。

よって二輪駆動車並に、或いはそれ以上にコーナリング速度を上げることができれば、他の駆動方式に負けることはないはずです。
しかしながら四輪駆動車は一般にアンダーステアが強いと言われていて、コーナリング速度を上げることが一番のキモであり、そのためには少し特殊な状態を作る必要がある書いてきましたね。

今回からは、いよいよそのやり方の技術的な話に入ります。

四輪駆動車といっても色々なシステムがありますが、今回はセンターデフを持つ四輪駆動車の話に特化しますね。
具体的に言えば日産のR32,33,34,35GT-Rとポルシェなど一部の高級欧州車を除くスポーツ四駆と、普通の四駆の走らせ方だと捉えれば間違いないでしょう。
後に詳しく書きますが、電子制御のセンターデフ搭載車でも基本は同じです。
 
本項の四輪駆動車の話に書いてきたとおり、四輪駆動車のコーナリングは入り口の姿勢づくりが出来るかどうかで殆ど全てが決まります。
そしてそのための技術は本気で速くなりたい人へ・・・の項に書いた、荷重曲げと全く同じです。

そして最終的には四輪によるトラクションステア効果を出すことができれば、相当速くコーナリングが出来るはずです。
もちろん全てのコーナーでトラクションステア効果を出すのは難しいですが、出来るだけそれを目指してみるのが最適解に近づく方法です。

R35GT-Rは電子制御でそれが容易に出来るようになっているらしいですが(残念ながら私は運転したことがないのですが……)、普通の四輪駆動車でも人力によりそれをやってみようというわけです。

では理屈については本項の理論編に詳しく書いたので、早速実践方法に入りましょう。

続く……。


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